OneDrop ワンドロップ の発足にあたって

私がバングラデシュに学校をつくろうと決心したことを説明するには本当にたくさんのことをお話ししなければなりません。

  

バングラデシュに行ったのは2006年から数えて今年で7回目になります。初めてバングラデシュに行った時の衝撃は忘れられません。町に出ると、たくさんの子供たちが路上で生活し、学校も行かずに働いています。この国の大多数の人々は飢えています。まさに弱肉強食の世界です。物乞いをするのも、小さな子供や弱い人を殴り、突き飛ばして、我さきに獲物にありつこうとします。人のことを思う気持ちが育っていないのです。教育が大事だと痛感しました。

 

たくさんのNGOがバングラデシュの貧しい人々の支援に関わっています。

ある小学校へ行きました。狭い教室でたくさんの子供たちが勉強しています。とても活き活きしています。学校が好きでたまらないようです。

こんな意欲いっぱいの子供たちも、小学校5年生を出ると働きます。そして世の中の底辺の仕事しかありません。あるNGOのスタッフが言っていました。「どんなに優秀な子供でもここを出てしまうともう未来がなくなる」と。

 

教育は、より良い人間になるために必要不可欠なものです。ユニセフの子供の権利の中に「育つ権利」というものがあります。〜子供は教育を受け、休んだり遊んだりできること。考えや信じることの自由が守られ、自分らしく育つことができること。〜

教育を通して、将来の夢を抱き、よりよい大人になり、よりよい社会を築いていけるのです。

 

私は、数年前からバングラデシュに学校をつくりたい考えるようになりました。未来を諦めざるをえない子供たちに、チャンスを提供したいと思いました。今年バングラデシュに行ったとき、現地の友人にこの話をし、協力をお願いしました。快く引き受けてくれました。日本にも私の意思に賛同してくれる仲間がいます。たくさんの人に支えられていることを実感しています。

 

私は旅が大好きで、いろんな場所に行き、いろんな人々と出会ってきました。よいことも、いやなことも、うれしいことも、悲しいこともありました。その中で、自分が困っているときに受けた親切は本当にありがたいものでした。どうして見ず知らずの私にそんなに親切にしてくれるのかと、一度聞いたことがあります。その人は、「私も前に旅をしていたとき、同じように親切を受けました。あなたもどこかでだれかが困っていたら、親切にしてあげてね。」と言いました。

それは30年以上も前のことです。

 

2010年末に有志が集まり、OneDrop ワンドロップ (バングラデシュ教育支援の会)を発足させました。マザーテレサは、「私たちのしていることは大海の一滴にすぎません。ですが、もしこれをするのをやめれば、大海は一滴分小さくなるでしょう。」と言っています。私たちの活動もほんの一滴です。しかし、一滴が集まれば大きな海になります。是非とも皆様のご協力、ご支援をお願いいたします。

 

                                       2010年12月

                                                 大西 登志子